家を買う人がいれば、家を売る人もいる。いろんな人がいろんな理由で家を手放し、そして新しく出会う。

このコラムシリーズ「家買う人家売る人」では、そんな人間模様を、第三者目線でお届けしていきます。

 

都城市高崎町・濱田龍一さん

今回インタビューに応じてくれたのは、都城市高崎町で「タカザキピクニック」を営む濱田龍一さん

濱田さんが今回手放そうとしているのは、大正時代に建てられた古民家です。

濱田さん:

生まれも育ちも都城なんですが、18歳で宮崎を立ち、それから色んなとこに行き、2020年アメリカのサンフランシスコから帰ってきました。

91年に渡米して、その時は駐在員で渡りまして、一応企業の外食産業の会社で派遣したんで、ロスアンゼルスの方にお世話になりまして、それで自分で永住権を取りまして、ロスアンゼルスが開業したのが、僕は33歳ぐらいですかね。

その時に「ゼングリル」というパシフィック・アジアン・クイジーンですね、カリフォルニアとサウスイーストアジアの混合したような料理ですね、そういうのをやってました。

 

おぉ、サンフランシスコ…!ロサンゼルス…!出てくるワードが一つ一つかっこよくて、思わず歯ぎしりしてしまいそうです!笑

いろんな海外経験をされて、日本に戻ってこられたんですね。

 

濱田さん:

やはりここに来たのは、もう本当この古民家ですよね。一目惚れってやつですか。

外見とかはほとんど何も触ってないからね。特に古民家の方は。住居の方はもうね、ペイントとかしましたけど。内装はもう素材そのものがしっかりしてて良かったですから。

あとは、掃除、掃除、掃除。畳だったところをフローリングにしたぐらいですね。もちろん障子とかは貼り替えましたし、まぁここが空き家になってから結構長かったものですから。

 

アキヤラボでも多くの空き家を取り扱っていますが、正直なところ、状態が良いものもあれば、ボロボロ(でも格安)のものもあります。

そんな中で、“一目惚れできる古民家“に出会えたのは、本当に素敵なことですね。

つまり、外見や素材さえしっかりしていれば、掃除の繰り返しと内装の手入れによって、使えるレベルになっていくということ。これから古民家を検討されている人には、いい情報ですね。

でも、その素材がしっかりしているか否かは、どうやって判断すればいいのでしょうか?

 

濱田さん:

ここに内覧に来た時、1泊3日で来たんですよ。

その時、うちの大工さんとお会いして、一応大工さんも一緒に内覧していただいたんですけど、ちゃんと丈夫にできてるし、雨漏りもなさそうだし、ということで即決断して購入しました。

 

大工さんや、その道に詳しい人と一緒に内覧に来るのがポイントなんですね。

確かに素人目で見てみると、「なんとなく綺麗かな?」程度でしかみることができません。また晴れた日に見にいくと、「雨漏りしているかどうか?」なんて着眼点を持つことすらしなさそうですね…!

自分自身が家について詳しくなくても、現地の大工さんと繋がりを作っておく、リフォーム予定の工務店さんに一緒に来てもらう、建築系の友人などいれば一緒に見に行ってもらうなど…、できることはありそうですね。

 

濱田さん:

この家に決めたポイントは、見た瞬間でしたね。「和」なんですけど、「洋」を入れても絶対に合うなって思って。

大正ロマンじゃないですが、ここは大正時代に建てられたので、洋が入ってノスタルジックな雰囲気なお店になるんではないかと思いました。

状態に関しては、全然でした!草ボーボーで、蜘蛛の巣だらけの空き家でした。

 

イメージを膨らませるのが大切なようですね。確かに、パッと見の草が生い茂ってる感じや蜘蛛の巣は、手入れしてしまえばなんとかなる。

それよりも、家としての雰囲気を想像しながら家を見てみるのが良さそうですね。「ここにどんなインテリアを入れたら、どんな雰囲気になるのかな?」「ここをみんなが集まるへなにしよう!」など。

夢の古民家暮らしに妄想を膨らませる…、というイメトレが日々必要になりそう。

 

濱田さん:

自分のライフスタイル、こういう風に生きていきたいんだということをちゃんと持ってる人が、そこのニーズと、この高崎という町、あとこの古民家に合うんだったら、素晴らしくいい物件だと思うんですよ。

だから何となく「ああ、いいなあ」じゃなくて、自分がここでどういう、1年後はどういう姿、どういう生活をしてるか。

ギャラリーでもいいですし、もし写真家でしたら写真とかをこう飾って、あとは芸術、あとは陶芸とか、お皿とか作って、ここで展覧会してもいいですし。あと裏庭もすっごく広いんで、もう自分のとこでキャンプできちゃいますよ。テント張ってですね。

 

「自分がここでどういう生活を1年後やっているか?」ここが大きなポイントのような気がしますね。

どの部屋をどんな風に活用していきたいのか?庭をどんなふうに生かしていきたいのか?広かったらそこに手入れの労力や時間を割けるのか?

家だけではありません。コンビニやスーパーが近いのか遠いのか、子供の学区の問題、見晴らしの良し悪し…。様々な条件を踏まえて、ワクワクしたらGO!という感じですかね。

ただ気になるのは、そんなお家をなぜ売ろうと思っているのか?ですよね。

 

濱田さん:

やっぱりちょっとステップアップして大都市に行って、もう一回ここで学んだことをちゃんとブラッシュアップして、やっていきたいと思います。

次のお店の構想は、お客様がこの店に来たら絶対リピーターになるようなコンセプト。あとはそこの街のニーズに合うようなコンセプト、お料理、接客を心がけてですね、私のうちに「お帰りなさい」「ただいま」っていうようなお店を作っていきたいと思います。

お客様との距離が近い、フェイス・トゥ・フェイスでやれるような。ワンオペで、カウンター上で、メニューにないようなメニューも簡単に提供できるような、その人の体の状態とかどんな雰囲気だとか、どういうものが食べたいとか対応できるような感じでやっていきたいなと思います。

 

一目惚れした古民家で運営してみて、それでまた見えてくることがあるんですね。

もっとやりたいことが出てきたり、新たな夢が出てきたり、別の方向に行ってみたくなったり…。この家で一生懸命やったからこそ、人生のコマを次に進めようと思えたんですね。

「家を買う」と聞けば、一世一代の大決心のように思えます。

仮に、完全に新築一戸建てでがっつりローンを組んで…、というものであれば一生に一度かもしれません。ただ、「空き家を買う」となると、もっとフットワークが軽くなるのかもしれませんね。

見に行って、一目惚れして、思うがままにやってみる。家と一緒に暮らし、自然を感じて、自分の人生を見つめてみる。そのまま穏やかに暮らしてもいいし、やりたいことが見つかれば次の土地に移るもよし。

 

濱田さん:

自然豊かな高崎で穏やかな生活を、もしくはリタイア、老後を求める方には、もうすごく適してる家だと思います。

私はラッキーなことに、この大正時代に建てられたこの古民家でお店を営業させていただいてます。それだけね、本当にしっかりした作りなんですよね。

住居の方は必要なものだけ置いて、そしたらすんごく住みやすいスペースです。一応断熱材とかもちゃんとバッチリ入ってますので、住居の方は問題ありません。

古民家(お店)の方は残念ながら大正なものですから、断熱とか入ってないものですからね。夏は暑く、冬は寒く辛抱ですが、その辛抱も本当「古民家で住んでるんだな」というのを実感して、いいものがあると思います。色んな夢が描けると思います、このスペースの中で。

本当に、古民家が好きで土地を愛されてる方だったら、すごくここの高崎の生活が豊かに、穏やかな生活ができると思います。

 

家を売る濱田さんの表情は、どこか未来を見据えてワクワクしているようにも見えました。そして、手放す家に対しても、たっぷりの愛情を注いできたことが伝わってきました。

 

家買う人家売る人。次回はどんな人に出会えるのでしょうか。お楽しみに。

 

※このインタビューは、YouTubeチャンネルアキヤラボから抜粋しています

【家買う人家売る人#1】売却予定の古民家に込められた想い|都城市高崎町・濱田龍一さんインタビュー

https://youtu.be/g4_JZ2T98Oo