青空の下、街路樹と建物が並ぶ都城の街並み
移住者インタビューSPECIAL / INTERVIEW 01

アキヤラボ 移住者インタビュー|第1回・宮崎県都城市

住みたい部屋から始まった、都城の暮らし。

ピラティスインストラクター・Ryujiさんが見つけた、時間と心の余裕

INTRODUCTION

旅先で食べたピーマンの味が、忘れられなかった。

生まれも育ちも東京のピラティスインストラクター、Ryujiさん。湘南で暮らしながら東京で働いていた頃、初めて訪れた宮崎で、水のおいしさと新鮮な食材の味に驚いたといいます。

移住先を探すとき、最優先にしたのは、仕事と生活ができる部屋。「都城に住もう」と決めて家を探したというより、住みたいと思った部屋が都城にありました。

自宅で仕事をして、自転車で買い物へ出かけ、夕飯を作りながら窓の外の夕日を見る。移住して4年目のRyujiさんに、家との出会いから、暮らして初めて分かった都城の魅力まで伺いました。

緑の木々を背景に、屋外でピラティスのポーズをとるRyujiさん

お話を伺った人

Ryujiさん|ピラティスインストラクター

「美脚王子 Ryuji」として活動。東京ディズニーランドでのダンサー経験を経て、ニューヨークでピラティスの資格を取得。現在は宮崎県都城市の賃貸マンションで暮らし、オンラインでピラティスのレッスンを行っている。市内ではイベント形式のレッスンを行った経験もある。

きっかけは、
旅先で食べたピーマンと、おいしい水

Q01宮崎への移住を考えたきっかけを教えてください。

Ryuji:

ピラティスインストラクターをしているので、自分の健康を考えたときに、水と空気がきれいな場所で生活したいと思うようになりました。

寒いのが苦手なので、暖かいところで暮らしたいという希望もありました。

初めて宮崎に旅行に来たとき、高千穂で泊まって、ご飯を食べたんです。そのとき、サラダに入っていたピーマンの味が濃くて、びっくりしました。関東でも宮崎県産のピーマンは食べていたんですけど、それとは別物のように感じて。

お店の方に聞いたら、その辺で採れたピーマンだと教えてくれました。高千穂で飲んだ水もおいしくて、「こんな場所で生活できたら豊かだろうな」と思ったんです。その水のおいしさや食材の味が忘れられず、移住を決めました。

湘南に暮らしていた頃、海辺を歩くRyujiさん
ニューヨーク時代、屋外のデッキで足を高く上げるRyujiさん
左:湘南に住んでた頃/右:ニューヨーク時代

Q02住む場所を決めるときは、ご自身の感覚を大切にしているんですね。

Ryuji:

そうですね。直感というか、「暮らしてみたい」「住んでみたい」という欲望に従う感じです。

ニューヨークに初めて行ったときも、この街で生活してみたいと思って、マンスリーマンションを借りて暮らしました。そのときにピラティスの資格も取りました。

旅行や仕事でいろいろな場所に行きましたが、住みたいと思ったのは、ニューヨーク、湘南、宮崎だけです。湘南も、実際に住みました。

自宅の窓辺で、赤いノートパソコンに向かうRyujiさん
住む場所が変わっても、オンラインでピラティスの仕事を続けている。

Q03知らない土地へ移ることに、迷いや不安はありませんでしたか?

Ryuji:

全くありませんでした。仕事はパソコンがあればオンラインでレッスンができるので、どこに住んでも続けられます。知り合いや友人が一人もいない中で引っ越してきましたが、LINEやZoomで簡単に話せる時代なので、その点も不安はありませんでした。

ただ、不安がなかったのと同じくらい、ワクワクという感情もなかった記憶です。

東京での仕事を引っ越しのぎりぎりまで詰め込んでいたので、そういう気持ちを感じる間もなく、バタバタと引っ越してきたんです。もっと長く準備をして、時間に余裕があったら、そういう感情も楽しめたかもしれませんね。

都城を選んだ理由は、
「住みたい部屋があったから」

Q04都城に住むことは、どうやって決まったのでしょうか?

大きな窓から光が入り、ピラティスマットや道具が置かれたRyujiさんの部屋
仕事も暮らしも、この部屋で。広さと間取りを優先して見つけた住まい。

Ryuji:

宮崎には旅行で一度来ただけで、全く土地勘がなかったんです。だから、まずは仕事と生活ができる部屋の間取りや広さを優先しました。SUUMOやホームズで、宮崎県内全体を検索して探しました。

最初にいいと思った部屋は延岡市にあったんですが、内見する前にほかの方に決まってしまって。そのあと、条件に合う部屋が都城に3つあったんです。

都城を選んだ理由は、住みたいと思った部屋があったから。その部屋が宮崎県内の別の場所にあったら、都城には来ていないかもしれません。

Q05家探しで、譲れなかった条件は何ですか?

Ryuji:

60㎡以上、ペット可、敷金・礼金なし、バス・トイレ別。この4つだけです。

湘南で住んでいた部屋が73㎡だったので、まずはそれに近い広さを考えました。

欲を言えば、温泉が近くにあるとか、湧き水を汲みに行けるとか、地元の食材を安く買えるお店が近くにあるとか、そういう希望もありました。でも、そこまで条件に入れたら見つからないと思って、周辺環境は条件にせず、家そのものを優先したんです。

Q06今の部屋を内見したとき、どんな印象でしたか?

Ryuji:

入ってすぐ、「ここにベッドを置いて、ここで仕事をする」と、暮らすイメージができました。家具のサイズを測らなくても、食器棚はここ、冷蔵庫はここ、と鮮明に浮かんできたんです。

8月下旬の内見でしたが、窓を開けると風が気持ちよくて、濃い緑の山が見えました。部屋の中にも、関東とは違う強い太陽の光を感じました。広さや家賃に加えて、駅まで歩いて行けて、バス停も家のすぐそばにある。そういう便利さも含めて、ここに住みたいと思いました。

部屋が決まるまでは、気持ちがいいと思える場所を見つけられるか、気になっていましたね。関東から何度も内見に来るわけにはいかないし、住んでいた部屋の退去日も迫っていました。一度の見学で決めなくては、という焦りはありました。

移動に使っていた時間を、
自分のために使えるようになった

Q07都城に移って、一番変わったことは何ですか?

リュックを背負い、店内の商品棚を見ながら買い物をするRyujiさん
近所へ買い物に。新鮮な食材が手に入ることも、自炊を楽しめる理由のひとつ。
撮影協力:青果店 Lien Farmさん

Ryuji:

時間の使い方と、お金の使い方です。関東にいた頃は、一日の半分くらいを、スタジオやクライアントさんに指定された場所への移動に使っていました。

電車が遅れることもあるので、余裕を持って出かける。もし電車が止まったら別のルートで行こう、その場合は何時に着くだろう、と、いつも時間を気にしていました。追われるように日々を過ごしていた気がします。

今は自宅からオンラインでレッスンをしているので、その移動時間がなくなりました。時間にも心にも余裕ができて、空いた時間を、今後の仕事のことを考えたり、食事を作ったり、勉強やスキルアップに使えるようになりました。

ゆっくりご飯を作って楽しんだり、歩いて温泉に行って、ゆっくり浸かったりする時間も増えました。生活費もかなり下がったので、その分、お金の使い方も変わったと思います。

Q08食生活にも変化はありましたか?

Ryuji:

味が濃くて新鮮な食材が、安く、簡単に手に入るので、外食を一切しなくなりました。

普段は地元の方が作った無農薬野菜を中心に、宮崎や鹿児島の肉や魚を買っています。鮮度市場、ミートクリエイト、イオンなど、市内のお店で買い物をしています。

宮崎に来て初めて知った食材は、豆おやしです。麦味噌も、以前はなかなか食べる機会がなかったんですが、こちらに来て好きになりました。

夕飯を作りながら見る、
毎日違う夕日

Q09今の家で、特に気に入っている時間を教えてください。

Ryuji:

夕日が沈む時間です。家には西日が入ってくるんですが、濃いオレンジや赤い夕日で、東京や湘南では見たことがないような空の色なんです。初めて見たときは驚きました。

仕事をしているスペースのそばに窓があって、夕飯を作っている途中に、そこから夕日を見ています。

同じ波がないように、同じ空もない。雲の形や夕日の色の濃さが毎日違うので、その変化を楽しんでいます。移住して4年目になりますが、今でも見ると感動します。

Q10住まいの使い方は、以前と変わりましたか?

Ryuji:

関東にいたときも、友人が家に遊びに来て一緒にご飯を食べることはありました。でも都城に来てからは、東京の友人やクライアントさんが、入れ替わり立ち替わり泊まりに来てくれるようになりました。

東京から来た友人たちも、みんな都城を気に入って帰っていきます。私も本当におすすめだと思っています。

今は賃貸マンションなので、DIYやリノベーションはしていません。部屋の広さや間取りにも不満はなくて、ただただ快適に暮らしています。日々、心穏やかに過ごせていますね。

車を持たず、歩いて温泉へ、
自転車で湧き水を汲みに

Q11暮らしてから気づいた、うれしい発見はありますか?

木々のある街の歩道を、自転車で移動するRyujiさん
日々の移動は自転車で。買い物にも、湧き水を汲みに行くときにも。

Ryuji:

家を探すときは周辺環境を条件にしなかったのに、住んでみたら、歩いて温泉に行けるし、自転車で湧き水を汲みに行ける。新鮮な食材を売っている場所も、近所のあちこちにありました。

関東にいた頃、移住した友人たちから、近所に温泉があるとか、湧き水を汲んで暮らしているとか、新鮮な地元の食材が安く手に入るという話を聞いていました。そういう暮らしができたらいいな、とは思っていたんです。それが、環境を考えずに部屋を決めたのに、思っていたより何倍もよかったんです。

Q12車がなくても、生活できていますか?

Ryuji:

東京に住んでいる宮崎出身の友人たちには、「車がないと生活できない」と散々言われました。でも、私自身は車なしで快適に生活できていますし、特に大変だと感じることもありません。

最寄り駅までは歩いて5分くらい。普段の移動は自転車で、少し遠出するときは電車かバスを使っています。仕事も在宅なので、今の住まいと生活では困っていません。

Q13移動について、先に調べておけばよかったことはありますか?

Ryuji:

公共交通機関の時刻表ですね。思っていた以上に電車の本数が少なかったんです。

東京では、一つの電車が止まっても別の路線で目的地に行く選択肢がありました。こちらでは、電車が止まったらバスを使おうと思っても、その時間帯に便がないこともある。電車やバスの時刻表は、もう少し調べておけばよかったかなと思います。

東京や福岡へ仕事に行くときは、かなり早めに移動するようにしています。一度、電車が30分遅れるという案内があって、特急に乗り換えて何とか間に合ったことがあるんです。そういう経験もあって、時間に余裕を持つようにしています。

顔を合わせたら、少し話す。
その距離感が心地いい

Q14地域の人とは、どんなふうに関わっていますか?

Ryuji:

都城の企業に勤めているわけではありませんが、よく行くお店の方にはよくしていただいています。親しくなった都城出身の方とは、家でご飯を食べたり、お酒を飲んだりしています。

料理の並んだ食卓を囲み、グラスを合わせて乾杯する様子
顔を合わせて、食卓を囲む。都城で暮らすうちに、人とのつながりが広がった。

引っ越してすぐは余裕がなかったんですが、半年ほど経った頃に、移住者が集まるコミュニティを知って、そこに入ったんです。ほかの移住者の方と交流するところから始めました。

よく行くお店や、イベントレッスンに来てくれた方がお友達を紹介してくださることもあって、人とのつながりが徐々に広がっていきました。

同じマンションの方や、スーパー、お店の方と立ち話をする機会がとても多いんです。そのときに、気に掛けてもらえているのがうれしいですね。人との距離感で、不快に感じたこともありません。

知らない方と挨拶を交わす回数も、すごく増えました。急に話しかけられることもあって、そういうときに、受け入れてもらえている感じがします。

Q15印象に残っている出来事はありますか?

Ryuji:

市役所に転入届を出しに行ったとき、「都城は何もないところですが、人はいいですよ」と言われたことが、ずっと印象に残っています。

実際に素敵な人たちと知り合えて、幸せです。都城で暮らす人たちが築いてきた空気感や温かさに触れるたびに、ありがたいなと心から感じます。想像をはるかに超えて、楽しい暮らしをさせてもらっています。

Q16もし次に引っ越すとしたら、どんな場所に住みたいですか?

Ryuji:

今のところ、具体的には考えていません。ただ、都城に来てすごく仲良くなった友人がいるので、その友人が住んでいるエリアに引っ越そうかな、という気持ちは漠然とありますね。

「暮らしてみたい」と思ったら、
一度暮らしてみる

Q17移住して、ご自身が望んでいた暮らしに気づいたそうですね。

Ryuji:

人が少なくて、街が静かで、顔見知りの人に会ったら軽く立ち話をする。時間がゆっくり流れていて、毎日、穏やかな日々が繰り返されていく。そういう生活です。

都城に来て、「自分はこういう生活を望んでいたんだ」と気づけました。残りの人生をどう生きていきたいか、その答えも、漠然とですが見つかった気がします。

Q18これから移住を考える人に、伝えたいことはありますか?

Ryuji:

家を探すときは、最低限、譲れない条件だけで探すことだと思います。

事前に調べることも大切です。でも、どれだけ調べても、実際に暮らしてみないと分からないことはたくさんあります。街の雰囲気や日々の生活、人との出会いは、住んで初めて分かるものだと思うんです。

暮らしてみたいと思ったら、一度暮らしてみるといいと思います。もし住んでみて「ちょっと違うな」と思ったら、また別の土地に行けばいい。

仕事や人間関係、将来のことまで全部決めてから、と考えると、ハードルはどんどん高くなります。「違う土地で暮らしてみたい」「その土地での生活を楽しんでみたい」くらいの気持ちで、一歩踏み出してみてもいいんじゃないでしょうか。

私自身、移住前には想像していなかった人との出会いや経験がありました。まだ起きていないことへの不安にとらわれすぎず、暮らしてみたい場所があるなら、まずは動いてみてほしいです。

実際に行って、暮らしてみないと分からないことが、きっとあります。

AFTER THE INTERVIEW

水と食材のおいしさに惹かれて宮崎へ。仕事と生活ができる部屋を探した先に、都城がありました。住んでから見つけたのは、近所の温泉や湧き水、毎日違う夕日、そして顔を合わせれば言葉を交わせる人たちです。

Ryujiさんにとって都城は、時間に追われていた日々から、自分の仕事や食事、学びに時間を使える暮らしへと変わる場所になりました。

部屋の条件を優先して選んだ街で、今は、次に引っ越すなら仲良くなった友人のいるエリアも、と考えているそうです。暮らしてから出会った人たちも、これからの住まいを考える理由になっています。

Ryujiさんの活動を知る

Ryujiさんは、ZoomやYouTubeを使ったオンラインのプライベートレッスン、グループレッスンを行っています。また、友人同士などで参加者を集めて依頼する出張レッスンにも対応しています。レッスンに興味のある方は、SNSからご本人へお問い合わせください。